支部長あいさつ

東海支部長

室原 豊明

2010年度から日本循環器学会・東海支部長を拝命しております名古屋大学の室原です。
皆様、2020年から新型コロナウイルス感染症の拡がりを受けて、日夜多大なご苦労を強いられていると拝察いたします。まずは、心よりお見舞い申し上げます。

さて、日本循環器学会東海支部は、会員数約3000名の大きな組織で、年2回の東海地方会(秋は北陸支部との合同地方会)では、約500人から800人のご参加を毎回いただいております。東海地区は全国的に俯瞰いたしまして、4県(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)の構成人口の割には、医学部の設置が少ない地域であり (7大学のみ)、結果的に慢性的な医師不足に見舞われている地域でございます。しかしながら、循環器学会東海支部会員のまとまりは非常に良く、循環器内科、心臓血管外科、小児循環器科、放射線科、基礎研究者など、そしてコメディカルの会員の連携が強く、日夜臨床・研究に邁進し、少ない人数での診療を、なんとか可能にしています。また女性医師にも、積極的に学会活動や委員会活動にご参加いただいております。
現在の国内の状況は、人口の高齢化に伴って高齢心疾患患者、特に慢性心不全患者が激増しています。さらに、超重症心不全患者の管理・治療(心移植を含む)、肺高血圧症の診断・治療やSHD(Structural Heart Disease)へのインターベンション、腫瘍循環器病学など新たな専門領域や治療法も次々に生まれており、ますます多くの医師とコメディカルを必要としております。よって若い世代の医師・コメディカルには、どんどん循環器の領域に興味を持っていただき、足を踏み入れていただきたいと考えています。そのためには、会員一人一人の皆様が、循環器診療の魅力、東海地区の魅力を、若い世代の医師・コメディカルに発信しなければなりません。また彼らにもさらに次世代へと受け継いで頂かなくてはなりません。循環器学会東海地方会では、AHAに受理された研究者に対しての旅費の助成制度や、コメディカル部門の賞などを企画し授与してきました。今後はより東海地区を活性化出来るような企画も新たに考えたいと思います。東海支部は素晴らしい大学病院と数多くの教育・研修病院に恵まれており、他の地区からの人材も積極的に受け入れています。東海地区は、国内でも有数の物作りの集合地帯であり、産学連携研究を行う上でも絶好の環境にあると言っても過言ではありません。ぜひとも皆様研究の推進もお願いします。

最後になりましたが、新型コロナウイルス感染症が落ち着きましたら、また以前のような Face to face の地方会が開催され、皆様とお会いできることを楽しみにしております。今後ともどうかよろしくお願いします。